実質半額の罠
ドコモ、au、SoftBankの携帯3社から米アップル社の新型スマホ「iphone12」の販売価格が発表になり、予約を開始しました。最も安い64GBの本体価格は10万~11万、iPhone12Proは13万~14万円弱です。各社とも一定の割引を活用すれば3~5割程度安くなると朝刊には記載されています。
「11万円が割引で実質半額」と聞くと、多くの人は新機種のスマホが5万5千円で自分のものになり、使い続けることができると思うはずです。
Soft Bankのホームページを見てみると
iPhone12 機種代金 現金価格110,880円(税込)
月々 2,310円×24回 総額55,440円
2年後には返却するか残金(55,440円)を支払うかの選択になります。
返却する場合は傷や破損等があれば22,000円の追加料金が発生します。
要するに、本来は48回の分割支払いで全額完済だが、24回で返還するから「定価の半額で2年間使用できますよ」というもの
ドコモには「スマホおかえしプログラム」があります
利用条件は2つだけ! HPより
①対象スマホを36回分割支払いで購入
②(24回支払い)スマホを返却するだけ
118,000円の機種が79,200円を支払い、24回支払い後にスマホをおお返しいただくと以後のお支払いは不要! 最大39,600円おトクに!
36回払いの商品を24回で返還するから以後の支払いは不要は分るとして、なぜ「おトクに!」なるのかな???
新型スマホが半額で購入できるわけではないのです。
実質的に半額、最大4割引き、キャンペーン期間中は2,980円-といったフレーズがあるときは、ある条件に合致する場合の特定期間使用料、最大値引額や特別価格になるということを表しています。
「特別割引」につられてお店に行くときは、その商品を買うことをほぼ決めています。割引の適用外がいくつがあるために当初の想定価格で購入できないことがわかっていても、すでに商品を手にすることの期待感が高まっているため、想定以上の支払額になっても多くの人は購入の決断をしてしまうのです。
今回のスマホに似た例で、新車の購入方法として「残レク」(HONDAの名称)があります。月々の支払額を抑えて、一定期間後に残金を払って自己所有にするか、残価で引き取ってもらう方式です。車の場合は購入価格が数百万円になりますので、「実質半額で憧れの新車に乗れます」という広告をみても、販売価格の半額で新車が手に入るとはほとんどの人が思わないはずです。
罠にはまらない方法はあります
その商品が定価でも購入する価値があるかどうかを考えることです。価値があるのなら、特典などで1割か2割でも安くなるのなら、お得な買い物にあります。半額なら買ってもいいかなと思うなら、定価で買うほどの価値を感じていないので、お店に行くかどうかはじっくり考えた方が良いでしょう。
同じ今日の朝刊で感動した記事があります。
室温で超電導 成功 米研究チーム
常温で電気抵抗がゼロになる「超電動」を世界で初めて実現したと発表したのです。
(10月17日/土の読売新聞/朝刊より)