人生相談 定年後、家事手伝わない父

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「人生相談」は時代を映す鏡です

父のことで悩む30代の女性会社員

父は65歳で定年退職すると、ゲームとテレビと昼寝の毎日です。この先の人生は長く、まだまだ働くことだってできるのに。父とうまく付き合う方法はないでしょうか?
(読売新聞「人生案内」から抜粋引用)

ほとんどの新聞に「人生相談」のコーナーがあります。他人の悩みに自分の悲しみや嬉しさを重ね、生きる勇気や変化のない日々だからこその有難さを教えていただくことも。回答者のアドバイスに、こんな視点から考えたことはなかったなと、目からうろこの発想の転換をいただくことも多々あります。もしもこんな相談を受けたら、私は何とアドバイスをするだろうかと考えてから回答欄を読むと、自分の発想の浅さを痛感します。

ちなみに、この30代女性への精神科医/野村総一郎先生の回答は、いくつかの提案と次の言葉で締めくくられています。

男性の多くは基本的に仕事人間ですから、うまく誘導できるかも。ただしタイミングは重要です。昼寝生活に飽き飽きした時期を狙います。

このお父さんと同じ60代後半の私たちの使命は?

「団塊の世代」と、プラス10年の世代は、先人たちの努力もあって、豊かさを享受できた世代です。中国に抜かれるまで国民総生産は世界第2位になるほど、日本は急速に豊かな国になりました。自分の親よりも豊かになれた世代とも言えます。

しかし、世界に先駆けて少子高齢化が急速に進んでいる時代において、現代の若者たちが、親の世代よりも豊かになることは難しいのではないかと思うのです。「高齢者」と呼ばれる65歳以上の世代だからこそ、次代を担う若者に対してできることがあります。それは私たちの知恵と経験を伝えていくことではないでしょうか?

経験や知恵という「暗黙知」を、目に見える「形式知」に変えていくのは難しいことかもしれません。しかし、後輩のために、世のために自分ができることを続けていくことは、人生の少し先輩としての義務であり、生きがいにもつながると私は考えています。

(話材提供:10月20日/月 読売新聞/朝刊より)

《予告》
11月7日(土)の「人生100年時代の知恵袋」

オンラインセミナーのテーマ
遺言書を書いた方がよい人・書かなくてもよい人

 

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