2020年ノーベル経済学賞はオークション理論

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資産寿命を延ばし老後を豊かに暮らす知恵 安心してオークションに参加する理論

皆さんはオークションで欲しいものをゲットしたことはありますか? 私はかつて「古武器」の収集にはまっていた時期があり、ネットオークションをよく利用しました。集めた古武器の代表が十手です。他に鎖鎌や手裏剣もあります。鎖帷子(さくびかたびら)がどうしても欲しくて、酔って帰宅したある夜、「鎖帷子…」というのが目につき、5000円という安値につられて購入。上半身に楔帷子を着た10cm程度の少女の人形が届いたときは泣きました。

今年のノーベル経済学賞は、米国/スタンフォード大学の2名の教授に授与され、授賞理由はオークション(競売)に関する理論の発展に貢献したというものです。

商品の価値が高いという楽観的な予想で入札すると高値づかみになってしまう。このような「勝者の呪い」を避けようと、参加者は低い価格で入札するために、結果的に落札価格が低くなってしまう。

これに対し、商品の価値の情報を売り手が積極的に提供することで、落札時の高値づかみのリスクを減らし、安心して入札に応じられるようになり、落札価格が高くなることを証明しました。

ひとりの落札者の立場で考えると、安値で購入できるに越したことはありません。しかし,公共事業の発注、差し押さえ物件の販売など、地方自治体や国がオークションの場を使うことは多々あります。適正価格での取引が行われれば、結果的には納税者の利益につながります。

遺品は宝の山です
相続で、重要な作業に、「遺品の整理」があります。亡くなった方がある分野の収集家であれば、必ず仲間がいます。旧家であれば、古民具や郷土玩具も交じっています。古いふすまの下地に古文書が使われていたという世紀の発見もあります。ブリキの箱も貴重品です。古い写真は背景がとんでもない歴史的価値があるものもあります。これらをお金に換えるということだけでなく、歴史の遺産を次代に引き継ぐという重要な意味が遺品の整理にあります。

オークションを利用する、あるいは出品する場合は、できるだけ正確で、詳細な情報が提供されているのかが重要な視点になりますね。

《参考》
オークション理論を使って配分される主な分野
・携帯電話向けの無線周波数
・空港での航空機の発着枠
・二酸化炭素の排出枠
・インターネットの広告枠

(話材:今日の読売新聞/朝刊より)

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